- 岡崎特殊製鋼でつくっている製品はどのようなもので、どんなふうに使われているのでしょうか?
- ・故 岡崎修 私たちが生産しているのは、ステンレス製のバルブやポンプが大部分で、バルブは、そのメカニズムによって様々な種類のものがあります。ボールバルブ、バタフライバルブ、安全弁、減圧弁、仕切弁、逆止弁などが、その主なものです。私たちが生産するそれらの製品は、バルブメーカーなどに納入され、そこで最終的に機械加工・組立て・検査が施され、市場へと出ていきます。それらの製品は、石油コンビナートや船舶、淡水化プラント、原子力発電所、それに液化天然ガスプラントなどで使われます。私たちの製品は全てがステンレス製のもので、とりわけ耐食性や耐温度変化性、耐ケミカル性などが厳しく要求される分野において活躍しています。
- 岡崎特殊製鋼の近未来像についてお聞かせください。
- ・故 岡崎修 金属の中でも、様々な面において優れた特性を持っているステンレス鋳鋼は、その需要も安定的に増加しており、わが社では月産70~80tonと、生産量も順調に推移しています。私たちの仕事は、ステンレス鋳鋼の持つ可能性を大きく拡げていくことです。普通、ステンレス鋳鋼というと鉄、クロームとニッケルの合金のことですが、例えば一般に、モネル、ハステロイ、インコネルといったニッケルをべ一スとして、クロム、モリブデン、銅などを加えていくと、さらに耐食性・耐酸性を上げるニッケル基耐食合金になります。このように、成分配合を高めていくことにより、それらはさらに高次元のプラントなどで使われることになります。私たちは、そういった特殊材料としてのステンレス鋳鋼の可能性をいつも見つめています。その一例が、ステンレス鋳鋼の真空鋳造です。これは文字通り、真空中でステンレス鋳鋼を鋳造することです。そうすることにより、大気中に浮遊する不純物などの介入することがなく、極めて純度の高いステンレス鋳鋼の鋳造が可能となります。そういった技術を醸成し、産業社会の最先端エリアで活躍すること、これが私たちの夢であり、またビジョンでもあります。高純度のステンレス鋳鋼が私たちに、どのような可能性をもたらしてくれるのか、それは例えば超伝導分野なのか、バイオテクノロジー分野なのか、あるいはメディカルエレクトロニクス分野なのか、現在はまだわかりませんが広い潜在的需要の見通しがあり、きっとそういった分野において、私たちの活躍の場が拓けるものと信じています。
- 最後に、岡崎特殊製鋼というのは、どんな社風の会社なのでしょうか?
- ・故 岡崎修 私が社員のみんなにいつも言っていることは、遊びと仕事のけじめをしっかりとつけることです。これは裏を返せば、仕事も遊びも一生懸命になってやれ、ということです。だからみんな、気持ちの良いぐらいしっかりと協力しながら働き、遊びます。そして仕事中やオフの時にも、上司との対話や社員同志のコミュニケーションはとても円滑に行われてギクシャクしたところもなく、和気あいあいとした雰囲気にあふれています。働きやすい環境の中で若い人はもちろんのこと、みんなが自由闊達に、それぞれの個性を発揮させながら行動し、それがうまく調和している、そんなイキイキとした社風だと思います。